Novel

七不思議の少女

旧(一万字版) 「七不思議の少女」

――あなたは、学校に伝わる七不思議を知っていますか? ―― ぽたぽたとアスファルトにシミができる。 頬から垂れる汗を拭って、僕、高木修哉はため息をついた。ぼーっとする頭を僕は大きく振って、家路につく。 あまりの暑さに汗は止まりそうになかった...
七不思議の少女

七不思議の少女 <第二の七不思議 設置消化栓の落ちない血の手形>

校舎を歩きながら、葵さんはこの学校の七不思議ができた経緯を教えてくれた。「ねぇ、修哉君。この学校の七不思議、どうしてできたと思う?」「それは……普通に考えたら、不思議なことがあったから、自然と広まって七不思議なんて呼ばれるようになったんじゃ...
七不思議の少女

七不思議の少女 <第一の七不思議 非常階段の赤い少女>

四時になるのは案外あっという間だった。「ごめんなさい。遅くなりました」 さっき会った時は、警戒していたとはいえ、随分ぞんざいな口のきき方をしていたと思い、僕は口調を改めた。が、葵さんが「さっきみたいに話してくれた方が、気が楽」と微笑むので、...
七不思議の少女

七不思議の少女 <柚葉小学校の七不思議>

――あなたは、学校に伝わる七不思議を知っていますか? これは、僕の通っていた小学校にまつわる話です―― 僕が七不思議に出会ったその日は、暑い夏の日でした。 ぽたぽたとアスファルトに黒いシミができる。 それをぼーっと見つめながら僕、高木修哉は...
七不思議の少女

七不思議の少女 <序>

必ずしも、明日が来るわけじゃない。必ずしも、今日があるわけじゃない。そんな当たり前のことがきっと一番見えていなかった――――
Divine

七夕に願いをかけよう。君の笑顔を。

※()は小声や心の声です。カーラ「ねえねえ。隊長は何願い事したわけ?」サラ「……」カーラ「え。何で黙るの。しかも何で顔真っ赤?」サラ「ば、馬鹿っ!!察せ!!」カーラ「え!?馬鹿って俺のこと!?しかも、察せって何を!?」サラ「いいから、黙れ!...
Divine

サラ・クァイシスの朝

はっと目が覚めた。 寝起きがいいとか、悪いとか、世では言うが、おそらく自分は良いほうなのだと思う。 いや、実際どうなんだろうな……。寝起きがいいという言葉の概念があたしはよく分からない。 目が覚めたらそれきりですっきりしているのを寝起きがい...
Divine

小さな世界

小さな小さな世界がありました。 小さな薄暗い部屋、たくさんの本。大きな窓。そして、そこから見える景色……。それがこの世界の全てでした。 世界の住民はただ一人。 住民は世界を愛していました。 何も変わらない毎日を住民は愛していたのです。 愛す...
Divine

Divine 明けの明星*宵の明星

=第一話「私と彼女が繋がるその日まで」= date06.04―序章 救世主の森の守り人―  ザァ……と降るのは冷たい雨。 この地にこんな大雨が降るのは実に珍しいことだ。 はぁ、と小さなため息が聞こえる。 「結局降ってきっちゃったねー」 窓の...
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Divine 明けの明星*宵の明星

=第一話「私と彼女が繋がるその日まで」= date unknown―モノローグ00―  世界とは何か――――――――― 〝それは、とても不浄なもの〟  では、地球とは何か――――――――――― 〝宇宙に浮かぶ青い星 美しくも見えるが、それは...