小説倉庫

Divine

フリーゲームDivineシナリオ カーラルート

※こちらは2013年まで動いていたフリーゲーム「Divine」で使用予定だったシナリオの一部です。 今後、フリーゲームを作る予定はありません。 一回目(聞かなかった場合)  あ、あっちから歩いてくるのはカーラだ。いつも、笑顔の彼は、今日も相...
Divine

愛しの赤い薔薇の君へ

薄暗い夜はどうしても、彼女を思い出してしまう。 何度も何度も忘れようとした彼女を……。   彼女と出会ったのは、もう数えることのできないほど遠い遠い昔のこと。 そう、数えることができないはるか昔のことだ……。 何年たっても、きっと君のことは...
毒の街

毒の街~少女の胸に宿ったのは~

「ごめんね。快人……。」 泣きすぎて、声にならない息遣いが、誰もいない街に響く。 病に倒れ、まともに食事もできていなかった快人の体は、力のない私が軽く担げてしまうほど、やせてしまっていた。 もう、快人の体からはぬくもりは感じられない…… ガ...
毒の街

毒の街~王の暴挙の先に~

「死者は、500人を超えたようです」  家臣の一人が、重々しく、俺に伝えてくる。「王!! このまま、エスタリスクを見捨てる気ですか!!」  エスタリスク  ……毒の街か  ため息ばかりが、協議室を占めていく  たかが、庶民数百人が死んだとこ...
毒の街

毒の街 プロローグ

また、人が死んでいく。 ……昨日は、幼馴染の幸也が死んだ。 次は、弟の快人が死ぬみたいだ……。「椎奈?」「どうしたの……? 快人」 私は、快人に優しく微笑もうと試みるけど……。ダメみたい。「椎奈…。泣かないで?」 快人の頬に流れていく水滴の...
田んぼが染まる頃

第一話 田んぼが茶色の頃~セピアとオリーブ~

「結局、私、鷹の台に行くわ」  合格発表で私――杉田葵が掲示板の前に立ち尽くしたあの日から、早くも二十日が経とうとしていた。  受話器の先で、友人の残念そうな声が聞こえてくる。 「そっか……。高瀬高校ダメだったんだね……。」  私は、友人の...
田んぼが染まる頃

序章 田んぼが何色にも染まっていなかったとき

おかしいな……。何がくだらなくて私は立っているんだろう。何が見たくてここにいるんだろう。  歓喜に満ちた声や、うれしさのあまり泣き出す少年少女を、私はただぼやける視界の中から見つめていた。 いったい、私は何を間違ったのだろう。 もう……、そ...