プロローグ
──世界はただ侵されていく
深き闇が世界を占めるその時に、我ら無力なる者共は如何なる手段にて深き闇を追い払うのか。
そう
我らはただの無力だ
なにもできはしないのだ。
『お前は裏切るのか!伝説の魔法使いローラ!』
裏切るとは言わん。
だが、私もまた無力なのだ。
かつて、私は最強の魔法使いと言われた。
だが、あれは私ではない。
私は、ただ¨彼女¨に救われたにすぎない
たった一人の我が友───
仲村湯菜に────
エピソード01
魔法使いローラと私
「おーい。どうしたラロ?ローラ様。」
耳元で誰かの声がした
どこかで聞いたことがあるような・・・
ないような・・・
どことなく、誰かに似ているその声に私は目を開けた
「目が覚めたラロ?ローラ様」
真横を見ると小さな変な物体がいた。
「誰?」
「頭打ったラロ?大丈夫ラロ!?」
「誰って訊いてるの」
私の言葉にその物体[?]は困ったように首を傾げた
「何いってるんラロ?ローラ様」
「ローラ?」
私の言葉に物体は驚いて飛び上がる。
「やっぱり頭打ったラロ!?大変ラロ。ラロのこと分かるラロか?」
物体が私の顔を覗き込んだ。その時、私の頭に、あることがよぎった。
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