フリーゲームDivineシナリオ モノローグⅠ

※こちらは2013年まで動いていたフリーゲーム「Divine」で使用予定だったシナリオの一部です。
 今後、フリーゲームを作る予定はありません。

 誰か愛して…
 私を愛して…
 …私はいつも一人ぼっちだった。
 誰も私を見てくれなかった。誰も私を愛してくれなかった。
 本当は誰かに愛してほしかったし、見ていてほしかった。

 だから…

 だから、私は“彼女”になろうと思った。
 “彼女”になると何もかもがうまくいった。
 誰もが私に惚れ、誰もが私を目指し、大切にしてくれた。

 私はそれがとてもうれしかった。

 ……でも……
 ある日突然、私は“彼女”でいることが怖くなった
 “彼女”でいるたびに吐き気がするほどの嫌悪にかられるようになった
 私…、誰……?
 もう、私ですら私がわからなかった…。
 私はそんな自分が恐ろしくて、恐ろしくて、
 次第に“彼女”を嫌うようになっていた。

 ―――そして
 私は“彼女”を捨て、私でいることを選んだ。
 私は、“彼女”と違って、ひどく歪で醜くって誰にも見向きされなくなったけれど―――

 ひどく心地よかったんだ。

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